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ノートの端

プレイしたノベルゲームの自己満感想ブログ

きんとうか 感想

きんとうか、フルコンプしました。

人との絆の尊さや、主人公含め周りの人達が後悔や悩みを乗り越え成長していくシナリオでした。以下キャラ別感想。ネタバレしてます。

宗定

 島から出ることのできない彼にとって、颯太との出会いは心の支えになったからこそ周囲が驚くくらい過保護になったという事がひしひし伝わる話でした。勘づかれたらすぐ別れる、帰るまでの期間だけでも恋人でいるというやりとりは切なかった。自宅デートで料理をして、映画を観てと何気ないことがどれだけ幸福であるかという事が表れていました。

機械音痴のギャップが可愛い人でした。「SNSで繋がろう」って愁に言う場面とアプリの入れ方を教えて欲しいという場面はじわじわきた...

鍵が壊れてしまい、二人の関係がばれたシーンはドキドキしました。

宗定は想いがぶれず一途な故、不穏な方向へ行くとそれが執着に変化するので妾エンドはぞっとしながらもにやっとしちゃいました...二人で堕ちるところまで堕ちる感じが良い。逢巳の代を自分で終わらすと燃やした家の中で一人命を絶つほうが辛いなあ。颯太は「別れを考えると付き合うのが怖い」とかいうタイプの人なんで残されたら生きていけるのかと心配でしかない。グッドエンドは愛の力があれば島のしきたりとか過去の考え方を一新できるくらいの力を持つ人なんでさすがだなーって思いました。並々ならぬ努力をしたんだろうな。格好良すぎました。

最初の儀式のときの冷たい人という印象から砕けた冗談も好むというギャップの破壊力。相手を怒ったり遠ざけたりするのにも理由がありその人を守るためという優しい人でした。人と一定の距離を保ち深入りしない彼と、別れが来るくらいなら付き合う幸福が怖いと考える颯太はある意味似た者同士なのかなと思いました。彼から電話が来て笑顔の止まらない颯太が可愛かった。このルートは互いの家の関係性の複雑さがよく表れていて少し難しかった。どんな人でも亡くなる時に大切に思っている人に泣いてもらえるって幸せなことなんだという事が伝わるシナリオでした。

愁とは違いぐいぐいアプローチしていくタイプの子でした。恋愛を知らないから、別れる怖さ、恐れがないから突き進めるんだって思う颯太に対してもあきらめない姿はどのキャラとも違うなあと。彼の告白シーンはとても印象に残っていて、潮騒みたいに終わりのない曲が好きだのようなことを言う颯太に対し「アウトロはこない」って言うんですがこのフレーズがとても好きです。割とやることに対してがっついてるのもどこか子供っぽい恭らしくて可愛い。

彼が成人したら事故から救ってもらったのを話す事を先に颯太は知ってしまい言うべきか悩むのですが、家族から信頼されてないと思っている恭からしたら言わないのはまた自分は大切にされていない、とショックを受けるんですよね。言えばまた傷つけてしまうし。一度別れることを決める場面が入っているのが二人の成長につながっているのが良い。「リピート再生だっていいんだ」という場面は来るものがありました。結果は恭を想う故の優しさだったんですよね。家柄もあるけど大切に思うからこそたくさんすれ違ってしまってやっと分かりあうことができた。最後の「渡利家はツンデレってことだね」「この数十年を俗語でまとめるな」というやり取りには笑った。

 

どうしたら彼のような境遇でこんなにも優しい人になるんだろう。司の台詞や考え方の優しさには序盤から胸が締め付けられるような優しさがある。彼の正体は逆おくりで生き返った昔、皆と遊んでくれた司その人で別れなければ颯太が命を落としてしまう。別れることが決まっていてもそれまで付き合うことにして写真を撮ったり皆で昔のように遊んだりとする場面が切なかった。禁忌とされる逆おくりを行ってしまう位、宗定も愁も彼の事とあの夏の想い出がかけがえのないものとして思っていた。それだけ司は皆に愛されていたことが伝わってきた。

彼の葬儀を行う場面は思わず泣いてしまいました。もしかして、どこかでまた現れてくれるんじゃないかなって思ったけれどそれがないからこそよかったのかもしれない。

 

この作品の主人公はどこかずれていて不思議な儚さを持つから老若男女問わず引き付けるんだろうなあ。彼の人生も複雑なのでこういう思考になったという理由がしっかり書かれてたのでこの性格でも、もやもやせず読み進めることができました。

比喩とか感情の独特な表現の美しさに引き込まれる作品でした。このテキストがとても好きです。

それぞれが抱える悩みや葛藤を乗り越え、生き方を考えていくお話という感じでした。あまり自分の中で萌える組み合わせがなかったなあ。BLゲームというより、はまるCPがない限り一つの島で起きる人間ドラマ、成長物語という印象でした。恋愛要素より「生きる事」について考えさせられる感じ。サブキャラ達も皆重要な立ち位置がありしっかり物語に絡んでくるのがいいんですよね。特に夏子さんが好きです。格好良くて可愛いです。彼女は幸せになって欲しい。

重厚な作品でした。こういう生死の関わる話は苦手なんですけど引き込まれるシナリオで展開が読める部分があったとしても泣いてしまいました。このライターさんはアプリゲーと他のBLゲーでしか読んでいないのですがどれも全く違う雰囲気という印象を受けました。他の作品もプレイしてみたいです。 

 

OZMAFIA!!-vivace-