ノートの端

プレイしたノベルゲームの自己満感想ブログ

フラテルニテ 感想

 「救い」とは一体何なのか、と考えてしまう作品でした。

実は発売前から気になってて体験版もプレイして、アングラ感あふれる雰囲気に惹かれてたんですが、「アレを食べる」シーンがあると聞いて恐ろしくて手が出せずにいました。いろいろな感想を聞く中やっぱり興味はずっとありまして。半額セール対象になっていたこの機会に思い切って購入し、プレイしました。以下思ったこと。

 心音

「いじめられる側にも問題がある」って言葉、あまり好きじゃないんですけど、その子はそれを実感させる子でした。年上に対してもどこか上から目線な態度、大丈夫ですと言いながら怪我について触れて欲しいという態度が見えているところがなんか気になりました。助けてくれなくても私はこういう星のもとに生まれたかわいそうな子、と悲劇のヒロインに酔っている感じが....そうでもしないと自分を保てない位辛いという事なのかもしれないけど。歪んだ方向に明るくなるのが見てて辛かった。いじめっ子のうち一人とは昔は仲が良かったと思われるやり取りがあったので、そこを掘り下げてほしかったです。いくらなんでもあんな形で終わるなんて後味悪すぎる....このルートで彼女らに制裁加えて欲しいとか思ったけど、心音は「虐める事しか楽しみのない可哀そうな人たち」「救われれば変わる」という思考になっていたので、復讐心とかないのだろうなあ。

 

紗英子

スタッフコメで不人気キャラと言われてて驚いた。個人的にはこういうタイプ、普段なら苦手なんですが比較的むちむちした体型の子が多くて濃ゆいなあ...と思ってたんで普通な感じのシュッとした体型がなんか好みでした。クールで知的な優等生、頭の回転の速い人って感じのしゃべり方に冷たさを含む声も好き。だからこそ裏の顔のギャップのすさまじさに呆然としました。利用できるものはとことん使い、自分より下の物に汚されることに興奮するからってここまでやるんだ...と。アレが出てきたときはもうね、流石に顔をしかめました。「雲の上で天女を~」のテキストセンス、脱帽です。最後はこれで幸せなはずないだろーって思ったけれど、彼女の尺度からすれば救われたし幸福なのだろう...すっごく冷静な主人公もまた怖かったなあ。

 

円夏

学校での見た目や性格もザ・普通の女の子!ってイメージだったので、まさかここまでするとは思わなかった。いやもう痛い痛い。絶対痛い。そしてここでもアレを食べるシーンがでてきて呆然。テキストがきつい。紗英子はまだ食べてはなかったな口に入ってたけどとか考えちゃったよ...いやまさか、ここまでちゃんと書かれてるとは思わなかったので衝撃でした。

愛と親友になりたいという純粋な思いから心配してたのに関わったばっかりにこうなってつらい。ラストがいくらなんでも...だけどいろんな痛みを経験し幸せを感じていたからこそ究極の段階で最後まで、こうできるのは彼女にとって究極の幸福になったのかもしれない...のかな....

 

芽生

いやーーーーちいさいこの耐性がなかったので...彼女だけはだめだよーと思いました。変わりように胸が痛んだし最初のシーンきつすぎ。彼女のエンドは狂気じみてて呆然。狂ってても姉妹そろって主人公と過ごすエンドがまだ、幸せなのだろうなあ。

 

美桜

一人で悩んでるときに、助けてくれなかった。あなたになにができたのという場面が印象に残っています。

友佳に会ったからこそ立ち直れたし、クラブとの出会いで幸福になったのに、引き離してまたふさぎ込んでしまったら、それなら今が姉さんにとっての幸せなのかって葛藤する主人公に自身も考えさせられました。

距離を置いた家族も、彼女のためを思ってだし。じゃあどうすればよかったのか...一体誰が悪いのか分からなくなる....

 愛

 彼女の幼少期のエピソード辛すぎた。メインなのに愛に対しては、つかめないところも多く.....彼女も生きようと必死だったんですよね。大智がクラブを継いだエンドで、ようやく愛は彼を信じたのかと思ってけれど、「大智君がどこまで持つか、クラブの最後を見届けなければならない」って言った時の表情で、クラブがある限り彼女は救われないのだなと。

大智

作中一番凄いのは彼だと思います。最初のころは事態どんどんやばくなるじゃん...って思ってたけどこんなの太刀打ちできるはずないよ。普通なら投げだすよ。逃げるよ。途中何度も折れても「皆を救いたい」と行動する事の凄さ、強さをを感じました。普通の男の子だけれど彼の行動は並大抵の気持ちじゃ絶対できない。この作品、主人公に感情移入してたらしんどすぎてやれないと思います。

最後の場面、両親に「俺がいるから」って言った大智のことを思うと辛くて泣きそう。

ラスト最後まで重いお話だった。

もう少し掘り下げて欲しい場面はたくさんありましたがのめり込みました。このご時世によく出してくれたと思います。こういう暗くて鬱々としたシナリオやっぱり好きだ。

幸せ、嬉しいと思う事の尺度って人それぞれなんですよね。プレイ中ずっと「こんなの幸福でもないし間違ってる、最悪の終わり方だ。」と思っていたのですが、彼女たちは清々しく、それぞれの思う最高の形で最期を迎えている子が多いんですよね。「プレイヤーの思う幸福」ではなく「彼女たちの幸福」という視点で見れば救われているという取り方もできるのだと思いました。この幸福は歪んでいるのかもしれない、悩みから目を背けていて解決なんてできてないかもしれない。それでも彼女たちは救われているのかな...ってぐるぐる考えてしまいました。

ずっと気になってた作品なので勇気を出してプレイしてみて良かった。シナリオは消化不良なところもあると聞いていたし確かにそうでしたが雰囲気と「この先どうなっていくのか」のハラハラ感を存分に味わいつつのめり込んだので予想以上に熱中しました。シーンはまあ...色々とハードすぎましたけどね.....

 

余談

 ・グロよりまだ食べてるやつの方が辛うじて見れる.....ような....これまで出すやつは二作品見ましたが食べるのは初めて見ました。さすがにもういやです。演じられる声優さんほんと凄いです。

・友佳の血まみれシーンビビりました。ついすばひびのスパイラルマタイが頭をよぎった。

・桧垣の声優さんが「男と絡むシーンがあって驚いた」と言われていたのが印象的でした。まさか男性向けエロゲで男同士の絡み、やるとは思わないですよね...この場面、体は男だけど心は女だからこその葛藤が伝わってきて読んでてしんどかったです。

・千喜ちゃんめちゃくちゃ良い子で感動した。彼女にはちゃんとした意味で幸せになって欲しい。

・個人的にはまだマゴベの方がきつかったかな。比べるベクトルが違うんですけどね。

・ED曲が「蛍の光」で思わずCAGE思い出しました。この曲を聴くたび、二つの作品を思い出すのだろうな...

 

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